中国武術を趣味で練習しております。
もうかれこれ二十数年、有志の集まりに所属して、楽しく長く続いております。
若い頃は、台湾にある本部武館に練習に行ったりと、結構本気で打ち込んでまいりましたが、結婚を機に仲間でユルユル趣味として続けていけばいいかとペースを緩めてやっている毎日です。
硬いのは体ではなく頭?
中国語にファンソンというのがあります。
リラックスとも少し違う、中国文化独特の感覚なのでしょうが、武術練習者がある段階で必ずブチ当たるであろう壁でしょうか。
私も見事にブチ当たり、今に至るも打開できていない大命題がこの「緩む」という感覚。
力は使うけれど、リキまないでね。という無茶な体への要求。
余計な力が入らず、体が効率的に使える状態。目指すところはコレですかね。
体は決して硬くない。むしろ柔らかいですが、無駄に力が入ってしまいパフォーマンスが低下する。
あれこれ考えすぎで動きが悪くなるのは、体ではなく頭が固いということなのか。
緩めよ。さらば開かれん
私、焼き物に絵を描くという仕事に従事させていただいております。
細かい線や点を描くとき、この「緩む」が非常に重要な役目を果たしてくれるのです。
長時間の集中を要する作業ですので、リラックスできなければ疲労でよい仕事ができません。
昔、手技療術家を目指して学校で勉強していたことがあります。
「技術は高いけれど、もっと力抜いてやらないと、体がもちませんよ。」先輩方からよくこのアドバイスをもらいました。
「そんなに気負っていては、家庭もうまくいかないよ。」これもよく言われております。
家庭、仕事、趣味。人生のあらゆる場面で必要とされる「緩む」といく大命題。
逆に言えば、これさえ出来れば全てうまく回り始めるということですね。
まとめ
各分野の達人たちは、なるほど驚くほど力を抜いて力を出していますね。
かつてお世話になったバンドのドラマーの方が、激しくドラムを演奏する姿に感動して尋ねました。
「あんなに全身全霊でドラム叩いて底なしの体力ですね!」。
帰ってきた言葉はこうです。
「ああ、余計な力は入れてないから全然体力使わないよ。俺筋肉も無いし。」
この方、アレクサンダーテクニークという身体操作を長年学んでいたそうです。
コスパの良い体の使い方ができることが、緩むという極意の正体かなと思います。
気負いを捨て、欲を捨て、頭を柔らかくすることで人生のパフォーマンス向上が図られるなら、この先もそれを目指して生きるしかありますまい。
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