全国に数ある稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社。
十月の行事である「伏見稲荷大社講員大祭」のイベントの一環として、千本鳥居のライトアップ「千本灯籠」が行われます。
ご縁があって近所に住まいする身としては、行かないわけにはまいりません。
どういうイベントなのでしょう
●開催期間・・・2023年10月1日(日)~10月9日(月・祝)
●時間・・・・・18時~20時半
●開催場所・・・稲荷大社千本鳥居周辺
ここ数年、京都市は財政難というお家事情から、色々なものが縮小あるいは廃止という道をたどることになってきております。
灯りのイベントに目を向けますと、人気を博してきた東山、嵐山の花灯路は数年前に終了。
また、夏の風物詩となっている「京の七夕」も規模を大幅に縮小と、各所で影響がでてまいりました。
そんな中、秋の夜長に行われる、灯りのイベントがこの「千本灯籠」です。
広大な伏見稲荷大社の奥社に続く参道にある有名な観光スポット「千本鳥居」周辺に多くの灯籠を配置し、独特の雰囲気のある夜の伏見稲荷大社を、さらに幻想的に演出しようというイベントです。
幻想的な千本灯籠
開催初年の2022年、早速行ってまいりました。
折しも新型コロナの影響で抑えられていた観光客の規制が大きく撤廃され、外国人観光客などの客足が戻ってきたためと、土曜日の晩ということもあり、かなりの人出になっておりました。
JR稲荷駅出てすぐが大社の大鳥居前になっておりますので、夕方6時を回ったところでも結構な数の人たちが神社に入っていきます。
境内までの参道や楼門、本殿付近は普段と変わらぬ照明です。
本殿を過ぎ、奥社へ続く石段も人で賑わっておりました。
灯籠設置は奥社へ続く鳥居が連なる道から始まります。
何色かの淡い色で連なる灯籠。
なんか見覚えあるなー・・・と思ってよく見ると、京都花灯路の文字が。
成程、これは花灯路の新たなるスタートなのねと納得のいった次第。
あるモノは使っていかないと勿体ないですからね。
千本鳥居は色々なメディアで紹介されまくっているので、一度は目にしたことがある方が多いと思います。
あの二筋に分かれる参道に鳥居がずらりと並ぶ有名な場所ですね。
鳥居のトンネルの中に等間隔で設置された花灯路の灯り。
なるほど幻想的でありました。
ただ、やはり人が多いのがなかなか風情を削ぐところですが、有名観光地の宿命ですね。
それでもじっと待っていると人が途切れる瞬間があったりしますから、シャッターチャンスは粘り強く待てば訪れることでしょう。
しかし、新型コロナ禍前の稲荷神社大ブーム時代には、この千本鳥居周辺は連日大行列でしたから、観光客が本格的に戻ればなかなかそうはいかなくなりますね。
今が訪れる好機と言えるのではないでしょうか。
妖しい魅力 夜の稲荷大社
お稲荷さんと言えば、現世利益の神社として知られておりますね。
狐が立ち並ぶ境内、朱色の鳥居群。
どこか妖しい雰囲気を漂わす場所であるというのは、全国どこのお稲荷さんでも共通の感覚ではないでしょうか。
稲荷神社総本宮であるこの神社は、本殿、奥社のさらに奥に広大な稲荷山があり、その山にはずっと大小様々な鳥居群、狛狐があり、山道から無数の道が里へと続く迷路のような神域です。
ここは二十四時間出入り自由なお山ですから、熱心な参拝者が夜中にお参りしていたり、散歩やトレーニングでお山をめぐる人たちも多いです。
人々の強烈な想いが渦巻く場所ですから、自然と不思議な雰囲気に包まれていく場所になっているのでしょうね。
それが夜ともなれば、言うに及ばすですね。
最も妖しくも美しい雰囲気が漂うのは、やはり夏の本宮祭の数日ではないでしょうか。
赤々と灯る無数の提灯。
風に揺れ涼し気な音色を奏でる無数の風鈴。
大勢の人々が蒸し暑い中ごった返し、熱気を帯びる境内。
盆踊りの櫓に群がり踊り続ける老若男女。
この感覚は、なかなか他所では体験出来ない不思議なものです。
因みに盆踊りに関しては、毎年駐車場にて行われておりましたが、新型コロナ禍のここ数年中止になっておりました。
昨年は拡張された駐車場に屋台が立ち並び、盆踊りはありませんでした。
このまま無くなってしまうのは個人的には非常に残念です。
来年にはあの櫓が復活することを切に願う次第です。
なにはともあれ、不思議な魅力の溢れる夜のお稲荷さんに参拝してみてはいかがでしょう。
アクセス
JR奈良線 稲荷駅下車すぐ
京阪本線 伏見稲荷駅下車 東へ徒歩約五分
市バス 南5系統 稲荷大社前 下車東へ徒歩約七分
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