
京都に佐々木酒造という酒蔵があります。
現在京都の洛中(平安京と呼ばれた区画内)にある唯一の酒蔵として知られています。
この佐々木酒造は、俳優の佐々木蔵之介さんのご実家であるということでも有名ですね。
個性的で渋い演技が光る人気俳優の佐々木蔵之介さん。
実は家業を継ぐはずだったそうです。
佐々木酒造の現在の代表は佐々木蔵之介さんの弟さんです。
なぜ佐々木蔵之介さんは家業を継がずに役者の道を進んだのか。
家族はどんな思いだったのかを調べてみました。
佐々木蔵之介はなぜ酒蔵を継がなかったのか?

佐々木蔵之介さんは京都の洛中で代々続く酒蔵の子として京都で生まれ育ちました。
兄弟は男3兄弟。
佐々木蔵之介さんは3兄弟の真ん中、次男になります。
だんご3兄弟ではないですが、男兄弟3人ともなるとそれぞれ特徴が自然に生まれるものです。
順当にいけば長男が酒蔵を継ぎ、兄弟は家業のサポート役や関連企業に就職する。
老舗を家族・兄弟で回していくというスタイルが一般的かもしれません。
酒蔵を継いだのは末っ子だった
佐々木蔵之介さんは3兄弟の次男。
1歳上に兄、2歳下に弟という兄弟です。
長男は一般人なので名前などは公表されていませんが、なんと東京大学出身の建築士なのだそうです。
家業を継ぐものと思っていた長男は「飲んでなくなってしまうものは造りたくない」という理由で建築業界へ進まれたのだそうです。
そして次男である佐々木蔵之介さんは俳優として活躍中です。
結果、家業の酒蔵を継いだのは末っ子の佐々木晃(ささき あきら)さん。

家業を継ぐのは兄だと思っていた晃さん。
出身大学も佛教大学文学部中国文学科という酒造業とまったく関係のない分野でした。
思いもよらない状況になった晃さんですが、この方はなかなかの商才の持ち主でした。
様々なアイデアで老舗酒蔵を支え、現在では人気の酒屋さんとして有名ですね。
家業を継ぐ気満々だった佐々木蔵之介
兄が建築の道に進んだため、家業を継ぐのは次男である佐々木蔵之介さんということになったわけですが、本人はどう思われたのでしょうか。
実は佐々木蔵之介さんは家業を継ぐ気満々でした。
進学先は神戸大学農学部です。
酒米の研究や、その他酒造業に生かせる学問をするためでした。
大学では演劇サークルに所属されます。
これも将来酒屋の営業をする際、人前に出るのが苦にならないようにするためでした。
大学卒業後の就職先は広告代理店でした。
これも家業を継ぐための準備でした。
「うちは佐々木酒造。メーカーは分かった、後で勉強すると。じゃあそれをどう売っていくかを考えた方がいいんじゃないかと思ったんですね」と語った。それが理由で就職を考えたといい、広告代理店は「新聞、ラジオ、雑誌、イベント」など様々なことを取り扱うことから、「いろんな土壌ができる。これを知っておくのがいいんじゃないかと思って、代理店を選んだ」
引用元:スポニチアネックス
ここまで着々と将来を見据えて準備していたのになぜ家業を継がなかったのでしょう。
劇団立ち上げで新たな境地へ
佐々木蔵之介さんは大学在学中に演劇にふれるのですが、それはあくまで家業を継ぐためのものとしてでした。
ところが新たな境地が芽生えるきっかけが生まれます。
それは大学2年の頃に関わった劇団の立ち上げでした。
「劇団ピスタチオ」という劇団で、旗揚げ公演「ファントム OF W」に佐々木蔵之介さんも出演されています。
この劇団の活動は、広告代理店に就職されてからも「二足のわらじ」で継続されていました。
その後、仕事を退職されて役者に専念。
劇団の看板俳優として活躍されます。
この「劇団ピスタチオ」を1998年に退団して、その後はドラマや映画へと活躍の場を広げていかれました。
ちょうど家業を継がず家を出ていかれたのがこの頃だそうです。
佐々木蔵之介さん曰く。
卒業後に広告会社に就職したのは、造り酒屋はメーカーなので、宣伝、広報みたいなものも必要だから、販売ツールみたいなものを学ぼうと思ったからです。そこまでは、家業を継ぐことしか考えていませんでした。でも、人前で話せるようにと思って続けていた演劇が、まあ、終わらせられなかったんですよね。
引用元:ヨミドクター
広告代理店の仕事も家業も、舞台の魔力の前には吹き飛んだということでしょうか。
佐々木蔵之介と一家の絆が支える老舗酒屋の現在
結局は家業を継がず、家を出てしまう形になった佐々木蔵之介さん。
家族との関係がギクシャクしてしまったのかというとそうではありませんでした。
俳優になった当初は反対の声もあったそうです。
しかし、2000年のNHK連続テレビドラマ「オードリー」に出演されたころには家族からも認められます。
佐々木酒造から「オードリー」という銘柄の商品も発売されたくらいですから、家族が応援している証ですね。

CMでの親子共演
佐々木酒造3代目当主だった佐々木蔵之介さんの父親・佐々木勝也さん。
家を継がず出ていく子供たちを寛容に許した温厚な人柄ですね。
そんな父親と佐々木蔵之介さんは実家の酒蔵を舞台にCMで共演されていました。
佐々木蔵之介さんが酒蔵の息子だという事は現在多くの人に知られています。
家業は継がなかった佐々木蔵之介さんですが、役者として違う形で家業・佐々木酒造に大いに貢献されていますね。
佐々木蔵之介という芸名は父親からのアドバイス
佐々木蔵之介さんの本名は佐々木秀明(ささき ひであき)さんと言います。
現在の佐々木蔵之介という芸名は、父親の勝也さんがアドバイスしたそうです。
大学1年の時、演劇サークルの新人公演で使う芸名を決めろと電話で言われ迷っていた佐々木蔵之介さん。
横でテレビを見ていた父・勝也さんが「酒蔵があるし、蔵之介にせえ」というアドバイスをされたそうです。
酒蔵の蔵と「忠臣蔵」の大石内蔵助をかけて出来たのが「佐々木蔵之介」という芸名でした。
やはり酒蔵との縁は切っても切れない深いものとして佐々木蔵之介さんの中に生きていますね。
まとめ

佐々木蔵之介さんは家業の酒蔵を継がず芸能界に入りました。
家族は最初こそ反対したものの、後には出演作のタイトルを冠したお酒を造るなどして応援されています。
酒蔵を継いだのは弟の晃さんでした。
晃さんもバラエティ番組などでVTR出演などして兄弟で力を合わせています。
佐々木蔵之介さんも芸能界で人気俳優となり、酒蔵の息子であることを世間に知らせることで家業に貢献されています。
過去には実家の酒蔵を舞台に父親とのCM共演を果たすなどされています。
現在、佐々木酒造は佐々木蔵之介さんの実家だということが多くの人の知るところです。
それによって老舗酒蔵はさらに人気の酒屋となっています。
家族で力を合わせて盛り上げてきた家業といえるのではないでしょうか。
佐々木蔵之介さんと佐々木酒造、これからも注目ですね。
最後までお読みいただき有難うございます。
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