アメリカ音楽界において最高の栄誉とされる「グラミー賞」。
2023年2月5日、第65回グラミー賞の授賞式がロサンゼルスで行われ、見事日本人アーティストが最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞に輝きました。
受賞したのは日本国内外で活躍中のミュージシャン宅見将典(たくみまさのり)さん。
実はこの人は2018年に亡くなった歌手・西城秀樹さんの甥にあたる人なのです。
自身の音楽活動に大きな影響を与えてくれたという叔父・西城秀樹さんとの関係はどんなものだったのか調べてみました。
宅見将典プロフィール
宅見将典(たくみ まさのり)
1978年11月13日生まれ
作曲・編曲家・プロデューサー
EXILEやDA PUMPなど、多くのアーティストの作曲や編曲、プロデュースを手掛ける。
2023年 第65回グラミー賞にてアルバム「SAKURA」が最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞受賞
宅見将典が語る叔父・西城秀樹との思い出
宅見将典さんが幼かった頃、すでに大スターだった西城秀樹さん。
身内として近い存在だけにどのような思い出があるのでしょう。
色々なところで語られた幼少期の西城秀樹さんとの思い出をまとめてみます。
《秀樹さんは、子供のころの僕にとってたまに現れる“レアキャラ”のような存在でした。僕が3~4歳くらいのころでしょうか。熱を出したときにピンクパンサーのぬいぐるみを持って秀樹さんが来てくれたそうです。 僕は当時ビデオで秀樹さんの映像ばかり見ていたらしいんですが、目の前に本人がいるから『テレビの中の人がいる!』と混乱して。お見舞いに来てくれたんだと思います。すごく優しい人でしたよ》
引用元 女性自身
ここでは他にも、秀樹さんのコンサートに連れて行ってもらった際に感動して泣いてしまった話や、心地よくて寝てしまった話などが語られています。
小学校時代に奈良にいて吹奏楽部だった宅見将典さん。
奈良で行われた吹奏楽のコンクールを秀樹さんが見に来てくれたことがあるそうで、部員の前で称賛のコメントをしてくれたそうです。
トランペットをプレゼントしてくれたりと、家族にスターがいるという事で宅見少年は鼻高々だったことでしょう。
宅見将典さんは中学生の頃、西城秀樹さんのコンサートにドラマーとして出演したことがあるそうです。
「出てみない?」と軽くとんでもない誘いをする秀樹さん。
まだ子供だった宅見さん「やりたいです!」というノリで実現したそうですが、当日になって日和ってしまう宅見少年にマスタースコアの譜面を渡し、「いける。いける。」と笑う秀樹さん。
後にプロのミュージシャンになって秀樹さんと同行することになる宅見さん。
叔父の感みたいなものがあったのかもしれませんね。
宅見将典の音楽の恩師でもある叔父・西城秀樹
宅見将典さんは高校生になるとバンド活動を開始されます。
その時に秀樹さんに曲を聴いてもらってアドバイスをもらっていたそうです。
高校生の作る曲のレベルに合わせて、良い所をピックアップして伸ばしてくれる。
本人の身の丈に合ったアドバイスと誉め言葉が、後にプロの道に進む下地になったのかもしれませんね。
本当に優しくて楽しくて輝いている師匠って感じでした
と、当時を振り返ってのコメント。
西城秀樹のバンドでの日々
20代前半、宅見将典さんはバンドでプロのミュージシャンとしてデビュー。
ところがこのバンドは程なく解散してしまいます。
次の展開に悩んでいた時に秀樹さんから声がかかります。
「うちのバンドで勉強しろよ」
ギターとして参加した当時、既にバンドには二人のギターがいたそうですが、秀樹さんとしては身内を放ってはおけなかったのと、自分のところで色々学んでほしいという」気持ちが強かったのでしょうね。
そうこうするうちに、二人いたギターも辞めていき、気が付けば長いこと一人でバンドのギターやコーラスを任されていたそうです。
多くの国内外のツアーに同行し、腕を磨いていった宅見将典さん。
まさしく叔父さんに鍛えられた日々と言えるでしょう。
宅見将典が甦らせた叔父・西城秀樹
2018年に西城秀樹さんは63歳という若さで亡くなるのですが、その四年後に新曲リリースとして甦ります。
新曲のタイトルは「終わらない夜」。
甦らせたのは実の甥である宅見将典さんでした。
未発表のまま残っていた秀樹さんの歌声が、新たに録音されたバンドの演奏とともに見事に甦ったのでした。
もともとは27歳の宅見将典さんが、秀樹さんのバンドに在籍をしながら作曲家としても活動し始めた頃に書いた曲でした。
ところが、「じゃあ書いてみろよ」とチャンスをくれた叔父の期待に応えた一曲でしたが、様々な事情で録音だけされて長い間眠ることになるのです。
そんな訳ありの一曲が、亡くなった人間を甦らせるものになるとは、何ともドラマチックですね。
そして2023年、グラミー賞という誰もが認める大きな栄冠を手にした宅見将典さん。
かわいがっていた愛弟子ともいえる甥っ子の快挙に、叔父さんはさぞや感激しているのではないでしょうか。
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