シアトルマリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチローこと鈴木一朗さん。
今年もサプライズで高校生への野球指導を行った。
メジャーリーグで数々の大記録を打ち立てた名プレイヤーは、指導者としてどのような内容の指導を行っているのか。
イチローの高校野球指導歴は?
2022年12月、今回の指導は静岡県の進学校・県立富士高校。
イチローさんの高校での野球指導は2020年から始まっています。
2020年の智弁和歌山。
2021年の国学院久我山、千葉明徳、高松商。
2022年の都新宿。
今回で六校目になります。
野球の名門と呼ばれる高校から無名の進学校まで、幅広くチョイスしていくところがイチローさんらしいですね。
気になるイチローの指導内容とは?
元メジャーのスーパースターがどんな指導をするのか。
現役時代から他とは一線を画すこだわりの練練習方法で結果を残してきたイチローさん。
指導者としても独特のこだわりを持っているのでは?
指導の基本は、熱心に言葉をかけたコミュニケーション。
生徒からの質問には、ユーモアを交えつつもポイントを押さえた的確なアドバイスで、実際に動いて見せての熱血指導。
例えば今回の富士高校での指導の一場面。
チャンスで打てる秘訣はと問われたイチローさん。
「チャンスで打てる秘訣?頑張れ!」とジョークの後、自分で結果を出して自信をつかむ重要性をしっかりと伝える。
打席に入るまでの自分のリズムのとり方に言及するなど、イチロー流バッティング指導が行われた。
逆方向への流し打ちのコツや、上半身の使い方など、実際に動きを見せながら、繰り返し打撃のイメージを生徒たちに伝えていく。
二日目にはフリー打撃や外野での守備練習なども行う。
高校時代はピッチャーの経験もあるイチロー。
ピッチャーへの指導の際には、自ら打席に立ったり、ボールの握り方などのアドバイスも送った。
ラストはイチローさんによる内野ノック。
「僕の体力が続く限りやろうか」という熱血ノック。
大きな声で生徒たちを鼓舞しながら、積極的にボールに向かう姿勢を伝えた。
イチローが球児たちに伝えたいことは何なのか?
元プロ野球選手が高校生の指導に関わるためには、研修に参加して学生野球資格の回復を行わなければならないそうです。
イチローさんも現役引退後に研修に参加して資格を得ました。
現在もマリナーズ所属となってはいますが、特例として日本学生野球協会から指導を認められているそうです。
全国の高校に出向いての指導という活動の他にも、高校野球に関する活動として記憶に新しいのが、2022年11月3日に東京ドームで行われた高校野球女子選抜VSイチロー選抜KOBE CHIBENの真剣勝負。
これは2021年12月に続き二回目だそうで、今後も継続されることが期待されていますね。
引退後の今も現役さながらのトレーニングを続け、説得力のある身体を維持しているイチローさん。
高校球児たちとの交流に熱心なのはなぜか。
これからの世代に伝えたいこととは何なのか。
「このサイズの身体であることが高校生にとっては大きいのかもしれません。今の高校生は3年生にもなれば僕より体重の重い、しっかりした身体の選手が大半です。それが僕のプレーを見て『えーっ』という反応になる。そして疑問が浮かび、考える。短時間でモノにするのは難しいけど、その動作から導かれる結果を見て、なぜだろうと考えるようになれば、次につながる。身体だけを見れば僕よりも大きくて強そうな高校生が、なかなか僕と同等以上の結果は得られない。動画で昔の僕のプレーはいくらでも見られますが、実際に目の前で見るのとでは伝わり方がまったく違うと思います」
引用元 Number1049号
イチローさんの伝える野球というのはズバリ「考える野球」。
高校野球は野球の面白さや魅力にあふれていると語っています。
高校球児は皆脳ミソが柔らかく好奇心旺盛。一緒にやるのは結構大変だけれども、実際に投げて打って交われば、どんな理屈をこねるよりも心に響いて届くのだという。
イチローさんが指導に訪れる高校は様々です。
しかし、これから世の中に出ていく若者が集まっているという点では何処も一緒だということですね。
「将来リーダー目指してるんでしょ。頑張らないと人はついてこないし、楽してそれは絶対にできない。将来の支えになるような瞬間を高校で経験して、壁に立ち向かっていけるように今日のこの日を忘れないで。大事な決断は自分でしてほしい、そうすればそこに責任を持てるし、それに向かっていってる姿を周りはみてるから」
引用元 TBS NEWS DIG
野球を通してイチローさんが伝えたいことはこのコメントに現れているのではないでしょうか。
まとめ
よく名選手が名監督になるとは限らないという話を聞きます。
個人の長短をよく理解し、それを伸ばすことに長けた人が良い指導者となるのでしょう。
プロ野球というビジネスの世界での指導者や監督というものにイチローさんのような野球人が向いているのかどうかはわかりません。
しかし、野球を通して人間力を高めるという指導者という点では、これほどの適任者はいないのではないでしょうか。
プロの世界だけではなく、若い世代の教育に力を注ぐことで業界の裾野を広げてゆく。
イチローさんの活動の真意はこんなところではないでしょうか。
インタビューへのこの回答が物語っていますね。
「僕にはこれ以上、情熱を注げるものはありません。人が喜んでくれるし、やっていておもしろい。とくに高校野球はね。プロ野球は大きく変化しましたが、今後どうなっていくのかを見届けることも含めて、求めてくれている間はやらない理由がありません」
引用元 Number
これからも次世代を担う若者たちに熱い指導を続けてほしいですね!
最後までお読みいただき有難うございます。
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