世界的にもその姿をめったに見ることができない深海魚・リュウグウノツカイ。
その美しくも怪しい姿はまさに「竜宮城からのお使い」というイメージがピッタリくる魚ですね。
そんなリュウグウノツカイですが、食べることのできる魚なのでしょうか。
そしてその味はどんなものなのでしょうか。
謎多き深海魚・リュウグウノツカイの味について調べてみました。
リュウグウノツカイってこんな魚
リュウグウノツカイ(竜宮の使い、学名:Regalecus glesne)。
その特徴は以下の通りです。
- 体長は10メートル以上になる細長い魚
- 体色は銀白色で黒い斑点があり、頭に赤いヒレがある
- 生息分布は世界中の温帯から熱帯の海域で、200から1000メートルの深海に分布する
- 主に小魚やクラゲ、プランクトンを食べている
このような魚ですが、基本は深海魚なので、その姿を見られるのはかなり珍しいことと言えます。
その珍しさから、神話や伝説の対象となっています。
その姿が見られると、地震や津波などの自然災害が起こる前兆などと言われていますね。
ここ数年、日本近海で目撃例が多いので気になっている人もいるかもしれないですね。
言い伝えの真偽は不明ですが、そんなことが言われるほどに神秘的な姿をしている魚であることに間違いはありません。
リュウグウノツカイを保存している富山県の魚津水族館では次のように述べられています。
「リュウグウノツカイが日本海沿岸に出没するようになったことについて、地球温暖化との関係や大災害の予兆なのか、といった質問をよく受けますが、因果関係はわかりません」
リュウグウノツカイは食べられるのか
めったにその姿を見ることができないリュウグウノツカイ。
たまに砂浜に打ち上げられたり、死体が漂着したりすることがあります。
このような場合には、研究対象として水族館など各種研究機関が引き取っていくことが多いですね。
ごくたまに漁の網にかかって水揚げになることもあるそうですが、はたしてこの異様な魚は食べられるのでしょうか。
魚津水族館の学芸員が研究の一環で食べたことがあるそうで、その詳細が次のように語られています。
リュウグウノツカイの味は美味しいのか
この時食べられたリュウグウノツカイは定置網にかかったもので、鮮度は高かったモノらしく、料理にも耐えうる状態でした。
三枚おろしにした後、皮をはいで刻んで炒め、醤油で味付けしたものを食したそうです。
白い筋の入った透明感のある身は、加熱すると白く変化します。
とにかく水分が多く、15分以加熱しても水が出たそうです。
食感は歯ごたえのないべちゃっとしたものだったそうで、あまり美味しくはなかったようです。
見た目の華やかさにしては味のインパクトは薄いということですね。
同じく深海魚で富山湾に棲むゲンゲという魚に比べると、かなり見劣りしてしまうという結果になりました。
そもそも深海魚は食べると毒にあたったするものもあるそうです。
下痢をしたりすることもあるので知識のないまま気軽に食べないほうが良いそうです。
リュウグウノツカイは料理方法によっては美味しい
特徴として歯ごたえが無く水分が多いというリュウグウノツカイですが、食べるに値しない不味さというわけでもないようです。
料理法によってはなかなかの一品となりうるようです。
料理法とその味がデータで残っていました。
料理法① 煮つけ
水分の多い魚の料理法として定番の煮つけ。
水洗いして切り身にして湯通ししてぬめりを取ります。
鍋に水を煮立て、酒・砂糖・醤油などで煮ます。
身が崩れやすいですが、なかなかの味になるのだそうです。
料理法② 刺身
魚の料理としてはこれまた定番の刺身です。
水洗いして三枚おろしにするだけ。
かなり身が柔らかいので寒天のような食感だそうです。
白身魚で臭みなどはなく食べやすいようです。
料理法③ 塩焼き
白身魚の人気料理法である塩焼き。
切り身にして塩を振り1時間くらい寝かせます。
とにかく水分の多い魚のようですので、焼き上げるのも一苦労。
労力の割にはあまり美味しくはないようです。
料理法④ 干物
水分が多いことがかなりのネックになる魚なので、しっかりと干して焼き上げ方も強めにすると、かなり良い味わいになるようです。
料理法⑤ 潮汁
漁師料理として知られる潮汁。
身が柔らかいので良い出汁もでるようです。
とろりとした食感で口の中で溶けるので美味しいようです。
料理法⑥ ムニエル
ヒラメなどの白身魚といえばムニエルは美味しい料理法ですね。
塩コショウに小麦粉をまぶし、香ばしくソテーすると、柔らかく水分の多い身が独特の食感となって美味しいそうです。
リュウグウノツカイはどうやって手に入れるのか
リュウグウノツカイはどうすれば手に入るのでしょうか。
定置網などにかかって非常に稀に市場に並ぶこともあるようです。
とはいえ、食用として販売されることは無いそうです。
主な用途は魚店や料理店に飾りとして用いられるとのこと。
色々工夫をしてもそんなに美味しくないということで、インパクトが強烈な飾り用としての需要しかないということのようですね。
死体として漂着したのものでは標本や研究対象としての用途しかありませんね。
ごくまれに湾内に迷い込んで泳いでいる映像はニュースなどで報じられますが、これまた手に入れるのは難しそうです。
日々の漁の水揚げの中、非常にレアケースとして手にはいる深海魚として、漁師仲間の内々で流通されているといったところでしょうか。
個人的に手に入れられるものでは無さそうです。
漁師に知り合いのいる人は日頃からコソッと頼んでおくのが一番でしょう。
まとめ
リュウグウノツカイの味についてまとめると次のようになります。
- 旬は不明
- 身体の水分量が多いため、焼くといつまでも水分が出る
- ウロコはかなり取りやすい
- 皮が薄く、骨は柔らかい
- 食感は寒天に似ている
- 歯ごたえが無く美味しくはないが、料理法によっては美味しいものもある
謎だらけのリュウグウノツカイ。
一見するとタチウオのようで美味しそうですが、あえて食べるほどのものではなさそうですね。
そもそも食用として出回ることはないようですから、食べる機会はかなり稀だといえますね。
近年目撃例が増えているのは、やはり温暖化などの環境変化の影響が大きいのでしょうか。
同じく目撃例の増えているダイオウイカなどと共に、天変地異の前触れだと言われることも多いそうです。
何事もなく、学術研究が進んだという結果になればよいのですが。
神秘的な姿のリュウグウノツカイ。
やはり一度は食べてみたいような気がします。
最後までお読みいただき有難うございます。
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