昭和の時代、企業の多くは社内旅行やスポーツ大会など、社員同士のコミュニケーションを図るという目的で様々な行事を行っていました。
時代は平成から令和へと移り変わり、こうした日本的な社内レクリエーションはすっかり姿を消してしまいました。
社員旅行や社内運動会、ひいては忘年会や新年会などの宴会などは、今ではほとんど行われていないのではないでしょうか。
そんな中、日本の大手電機メーカーであるパナソニックで、社内運動会が開催されたというニュースが話題になっています。
「コミュニケーションが不足しがちな現代において画期的だ」
「今のご時世に時代錯誤だ」
賛否が思い切り分かれるような話題ですね。
果たして、パナソニックが行った社内運動会復活というニュースに対するネットや世間の反応はどんなものだったのでしょうか。
気になるネットの反応を調べてみました。
パナソニックが社内運動会を復活させた狙いは何?
今回パナソニックが行った社内運動会は、主に若手社員の交流を目的とされていました。
参加資格は全国の支社や営業所に在籍する新入社員から5年目の社員まで。
開催場所となった東京・渋谷の国立代々木競技場には、対象となる社員の3割に当たる約1200人の参加があったというから驚きでした。
「わざわざ休日返上で社内の行事に参加する若い世代がこんなにいるとは」
会社への帰属意識が薄れゆく現代、このような感覚は多くの人が抱いているのではないでしょうか。
このパナソニックの運動会が話題に上った背景には、現代の若者の離職対策という一面を持っているからでした。
現在、仕事を辞めたいと考えている若者はアンケート調査の約半数にも上るという事だそうです。
パナソニックの社内運動会のニュースは、この現状を変える起爆剤となるのでしょうか。
アフターコロナの今の時代だからこそ?
今回の運動会、参加社員は出勤扱いに加え、勤務地から会場までの交通費は全額会社負担となっていました。
この社内運動会を開催した狙いについてパナソニック現社長・品田正弘氏は次のように語られています。
「分社化でどんなことをやっているのか分かっていない。コロナ禍という特殊な環境の中で入社したメンバーにこういう機会を作ってあげたいと思った」
パナソニックでは社内カンパニー制度が導入され、組織間の交流が課題となっていたのだそうです。
実際社員の間からも交流の場を望む意見も多く寄せられていたそうです。
Z世代に寄り添う企業
先述の品田社長はまた次のようにも語っています。
Z世代の考えを経営に取り込んでいくことが重要。若者の熱量をどのように経営に生かしていくのかすごく可能性を感じている」
昨今、なにかと話題になるZ世代ですが、デジタルネイティブで同世代間の横のつながりを求めている世代だと言われています。
こうした世代の考えに寄り添い、その熱量を経営に取り込みたいという狙いが企業にはあります。
大規模な社内イベントとしての運動会は、そういうモチベーションアップに最適だということなのではないでしょうか。
パナソニックの社内運動会復活に対するネットの反応は?
大手メーカー企業による大規模な社内イベントは、世間にはどのように受け取られているのでしょうか。
様々なネットの声を拾ってみました。
否定的な意見が目立った
やはり多かったのは、否定的なコメントでした。
社内の団結力や離職を防ぐ方法が 運動会かと問われたらそうとは言えないね。 仕事以外の交流によって分かり合える 新発見があるかも知れないけど、 その企業に長く働きたいと思うには、 まずは尊敬出来る上司、先輩がいて 給与の良さ、仕事への誇り、総合的な要因が 無いと我慢して出社してるだけになる。 運動会だって準備とかを後輩や新入社員へ 丸投げして命じてるだけじゃ パワハラの延長線上にしかならないで 余計に離職率が高まるよ。
昔、こういう社内行事に参加させられたけどホントに会社は親睦会とかやめてほしい。せっかくの休暇に朝早くから参加させられて卓球大会、ボーリング大会だの社内の結束なんて深まらないし。休暇でも会いたくもない会社の人に会うとか。強制で断る自由もなかったし。やりたい人達でお金出し合ってやってほしい。
人の予定を無視して出ろと言われ、欠席の場合は理由書や照明できるものを出せというような会社もあります(現職の会社がそうなんですが…) それに、この不景気に会社レクをやるのではなく、その費用を従業員の給与として与えて欲しいです。微々たるものですが、少し上がるだけでも心強いです…。
積極的に出場している人は少ないと思います。 横のつながりが有っても退職する人はします。 いつまでも昭和の感覚が抜けない、過去の成功体験、工場運営にすがる企業らしくて落ちぶれた日本を見ているんだろうと感じます。
大切なのは行きたくない人がはっきりと行きたくないと発信でき、そしてそういうことで日常的な不平等を受けないことなのですが、どうしても参加した人間ほど優遇されるため、行きたくないけど行かなければ、とい強迫観念に晒されています。その結果として、参加者多数ですので会社はイベントとして大成功と勘違いしています。
経営陣は何も分かっていない。昭和の価値観が生きている。若い人がその会社で働きたいと思うかは、経営方針に同意できるが、仕事にやりがいがあるか、であって、社内の人間関係を築けるか、ではない。準備や先輩社員への気遣い、休日出勤、と非効率で生産性の低下につながる。たくさんの社員が表面的に一体化しているのを見ると、大きな会社の経営陣は安心するのだろう。
なかなか手厳しい意見が多かったように思われます。
それだけ「個人の時代」が日本の会社員の間にも浸透してきている証拠なのかもしれませんね。
中には好意的な意見も
辛辣な反対意見もあれば、やはり好意的に見ている人たちも結構いました。
私もパナソニック(当時は松下電器産業)の関連会社に勤務していましたが 当時は全社の運動会や営業所単位での社内旅行がありました 費用は全て会社負担でした その後運動会が廃止になり社内旅行の費用も会社と折半になりました 最後には社内旅行も廃止になりました 私の感想としてはそのようなレクリェーションがあった頃は社員間での親睦も深まっていたと思います 今回のパナソニックのこの様な催しは 私としては大変良い事かと思います
出るのは面倒、練習も面倒、世話役はもっと面倒、だけどやってみると意外と楽しい。そんな思い出があります。 円安に沈むなか、昭和に戻る動きが感じられます。でも最初にすべきことは正規雇用の復活なんだと思います。転勤させるなら社宅や寮も必須でしょう。円高の時期に過剰コストとみなして切り捨ててきたものを取捨選択して復活して行く動きであれば良いことだと思います。
大人になると複数人で集まって何かをやるって機会が減ってしまうから、会社がそう言う場であってもいいと思う。会社も国も、足並みが揃ってないと何事もうまくいかない。俗にいうコミュニケーション。今の若い子たちは一人で居る事が好きな子が多いから自分からは積極的にコミュニケーションは取らない。ならば、足並みそろえるため、お互いを理解する場を設ける価値はあると思う。運動会がベストかは分らんが、何かしら集まれる機会は必要。時代は繰り返されるからね。いつの時代も無いものねだり。
過去に社内イベントに参加してきた人たちや、そういう世界が良いなと思っている若い世代の人達なんかには、大勢で一丸となって何かをやる楽しさが伝わってくるのでしょうね。
まとめ
賛否意見が分かれるネットのコメントなのですが、結局はコレかなというコメントがありました。
当たり前だけど、文字の通り賛否両論になる。 楽しめる人もいれば、負担に感じる人もいる。 この忙しいのに!と言う人もいれば、ノリ気な人もいる。 人の会社が何をしようとかまわないが、 やると決めたからには、最後にはみんなが 「案外楽しかったね!」と終われるように、工夫したルールづくり が必要。勝つことに重きを置く上司のパワハラが横行した時点で 失敗として反省しなければいけない。 個人としては、会社が改革をしようと時間と費用を割いて 動いてくれることを、羨ましく思う。
確かにその通りだなと思わせる意見でした。
そして、確かに社員ファーストで動いてくれる会社というのは優良企業といえるでしょう。
そんな会社組織だからこそ、業績も良いのではないでしょうか。
そしてそんな企業だからこそ中で働く人間にも響くということなのでしょう。
そんな職場にいられる人は幸福度高いような気がします。
この運動会、はたして来年からも恒例となるのでしょうか。
最後までお読みいただき有難うございます。
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