紅葉の名所として名高い、京都東山の禅寺「東福寺」。
その塔頭寺院である勝林寺をご紹介。
勝林寺 概要
JR・京阪東福寺駅から徒歩約八分ほどにある古刹。
境内には、紅葉や苔、蓮、季節の花々が美しい。
駒札には、天文十九年(1550)、第二百五世住持・高岳令松により創建。
仏法守護の毘沙門天を祀ることから、「東福寺の毘沙門天」と呼ばれる。
本堂は近衛家の大玄関を移築。一切経を埋めた石塔が境内にある。
とあります。
天井裏にひっそりおられた毘沙門天
御本尊は仏法と北方の守護神毘沙門天。
毘沙門堂に安置された毘沙門天立像は、平安時代後期作。等身大の一木造り。
長らく東福寺仏殿の天井裏にひそかに安置されていたが、江戸時代に開山・高岳令松の夢告により発見。
勝林寺本尊として祀られたとのこと。
脇侍の吉祥天、善膩師童子はともに江戸時代の仏師・清水隆慶作。
三体ともに衣の色彩も鮮やかに残る、素晴らしいお姿。
毘沙門堂も奥から手前にかけて傾斜があり、迫ってくるような造りになっていました。
SNSに映えまくる境内
今では行っている寺社も多い花手水(はなちょうず)。
勝林寺さんでは、かなり早い段階から取り入れておられたように思います。
季節の花を週末ごとに入れ替えるという美しい花手水。
飾りなどにも工夫がされ、手水場は常にカメラを構える人々で賑わっていますね。
庭のあちらこちらには、季節ごとに花の鉢植えやナマズや小仏?などの置物などが配置され、お寺の方々のセンスが光っておりました。
色とりどりの限定御朱印
御朱印集めが世間一般に認知され、今や一大ブームになった感のある昨今。
各寺社でも様々な限定御朱印が見受けられますが、こちらほどの種類と色彩豊かなそれには、なかなかお目にかかれないかもしれません。
一昔前は、特別拝観時の紺紙金泥の御本尊御朱印だけだった記憶がありますが、現在は季節ごとにカラフルなものが多くあり、コンプリートはなかなかのハードルでしょう。
まあ、キラキラ御朱印と言って眉をひそめる参拝者もおられるでしょうが、これはこれで
アリなのではないかなというのが個人的な意見です。
皆様、コンプリートを目指してみるのはいかがでしょうか。
何といっても紅葉の名所
東福寺は言わずと知れた紅葉の名刹。
秋には全山錦繍の巷となりますが、塔頭寺院も見事な紅葉が多いですね。
勝林寺本堂前の「吉祥紅葉」の見事な姿は、一見の価値アリです。
青空と赤や黄の木々間が素晴らしいコントラストです。
秋の特別拝観期間を過ぎても気候次第では長く楽しめる紅葉です。
まとめ
かつて勝林寺は、私にとっては固く門を閉ざされていた謎のお寺でした。
道端にポツンとたたずむ弘法大師作毘沙門天王という石柱にどれほど興味を
掻き立てられたことでしょう。
住職の代替わりか、本山の意向の変化か、ある時期から毘沙門天特別拝観がおこなわれ、あれよあれよと整備が進みます。
座禅会や各種イベントなど行われるようになり、色鮮やかな御朱印が増え、花手水がSNSを賑わし、現在では観光客が絶えません。
秋のシーズンには多くの人で賑わう東福寺界隈。
色鮮やかな勝林寺にも是非お参りされることをお勧めいたします。
まずは御本尊に手を合わせてからですね。
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